【完】プリンセス
「はぁー……心菜ちゃん、可愛い事、言いすぎだから」
「ごめんなさい……」
何故か謝ってしまった。
私のバカみたいな夢が陽呂を、あんな顔にさしちゃったなんて……
思っても見なかった事に驚いた。
「陽呂……笑わないの?」
「笑う訳ねーし。てか、嬉しいし?」
「そか」
私の思った事を、笑わない陽呂。
嬉しいって言ってくれる陽呂。
本当に本当に子供の頃からの夢だったから、そう言って貰えて……嬉しかった。
陽呂が弄る私の手に輝くリング。
その手を一緒に包み込む様に上に重ねる。
「陽呂さ……陽呂は何で結婚したいって思ったの?」