【完】プリンセス
中々、答えない。
静かな時間も心地よく感じるくらい、陽呂と一緒にいる空間が好き。
私と同じ様に、言ったら笑われるかな? とか考えてるのかな?
今は、全てをいい方に考えれちゃう。
陽呂の力って凄いね。
「あのさ……俺、無責任かもしんないけど、いい?」
「うん」
「ただ、単に好きだから」
なっ?!
そんなハッキリ?
あまりにも直球で。
思わず赤くなってしまった。
「結婚したら、俺の奥さんです。って皆に言えるじゃん?
そしたら、心菜に手出す奴、今より減るしさ」
いやいや、私に手出すのなんて居ないって。
毒舌だよ?
私がモテるって勘違いしすぎなんだよ。
てかさ? 陽呂の方が心配だからっ!
「それに、毎朝一緒で、毎晩一緒で。そのうち、子供も産まれて? 家族も増えて……楽しそうだろ?」
「うん」
私もそう思う。
陽呂との未来。
考えるとつい笑みが零れる。
「後は、老後かな」
「老後?」
「そ、仕事も一段落して、子育ても一段落してさ?
じいさんばあさんなっても一緒に居れるなんて最高じゃね?
んで、旅行とか行ってノンビリ」
「ノンビリ?」
クスクス笑い声が響き合う。