【完】プリンセス
「心菜は、変なとこ真面目に考えるからなぁ~」
と茶化しながら言う。
でも、私も怒りながら答えるくせに笑顔なんだけどね?
「何よ、変なとこ真面目って!」
「本当、心菜の親から心菜みたいなのが、よく成長したよ」
確かに……。
あの親から私って微妙よね?
何であんな突拍子もない事ばっか考えれるのかしらね?
「だから、適当でいいんじゃね? 結婚式の事とかも」
「え? 陽呂……気づいて?」
後から両方の頬っぺたを引っ張られた。
私、陽呂は気付いてないって……。
何でそんなに、お気楽なの?なんて思ってたよ?
「結婚するんだから、これからは、ちゃんと俺に相談しろよな?」
「……ふぁい」
引っ張られた頬が熱くて、変な声が出ても気にならないくらい。
涙が零れそうだった。
「皆さ、俺達の事だから真剣なんだって。ちょっと度が過ぎてるけど」
「だね……」
「それに、周りがどんなでも、大切なのは俺達の気持ちだろ~?」
「……うん」