【完】プリンセス
こんな時だけ、敬語に戻って。
絶対、私で遊んでる。
わかってるのに、真っ赤になる自分も悔しいっ!
仕返しなんて考えさせない陽呂の勝ち。
一枚上手なのには変わらない。
優しく頭をポンポンを叩いて、
「さて、実家の方に戻りましょうか?」
「え?」
「皆さんから、連絡が入りまくってますよ?」
取り出した携帯には、メールに留守電。
「何? この量」
「昨日の心菜さんの事に気づいたか……
可愛い弟が喝をいれてくれたか……じゃないですか?」
にっこり微笑み、私の驚いた顔を見て頷く。
美鶴……。
もう、美鶴の奴……やっぱ可愛い弟なんだから!
って。
でも、何て言ったんだろう?
メールも留守電も必死なパパとママ。
美鶴って結構、冷静で恐いからなぁ?
陽呂が差し出した手を握って、徒歩3分の実家に戻った。