【完】プリンセス
はぁー……。
こんな時間に陽呂呼び出すのも悪いしなぁ。
でも……一緒に帰るなんて嫌だしなぁ。
考えてた私の手を引き、靴箱へ向かう生徒会長。
うぅ……やっぱ、陽呂に電話……
そう思い手を払おうとした時。
「心菜さん?」
「……え?」
靴箱にもたれ掛けてた体をけだるそうに起こす陽呂。
「陽呂???」
「終わりましたか?」
「あ……うん」
「じゃあ、帰りましょうか」
え? え?
待っててくれたの???
嬉しぃ……///
「あ、うん♪」
思わず声が上ずった。
と、陽呂の目線がおかしい。
私でも生徒会長でもなく……その間の少し下?
落とした目線の先を見て叫んだ。
「うわぁぁぁぁぁっ」
生徒会長に手、掴まれたままだった!
慌てて、振り解こうとする私の手を、きつく握り返す。
「生徒会長???」