【完】プリンセス
「……心菜さん、今日も居るんですか?」
「え? あ、そか。邪魔だったよね?ごめん……」
じゃなくて!
慌てて、立ち上がって部屋を出ようとする心菜の手を掴んだ。
「え? ……どうしたの、陽呂?」
「邪魔じゃないから……」
「でも……今?」
多分、俺を見下ろしながらキョトンって顔してんだろーな。
「じゃなくて……そばに居てくれんの?
って聞いただけだから」
「え? あ……うん?」
「……じゃあ、居てよ」
「……うん」
また、そばに座って手を握ってくれた。
側に居て欲しかった。
今日は、もう居てくれないのかと思ったし。
だから……嬉しかったんだ。