【完】プリンセス
「いっちぃー、その子誰?」
愛未の指す先には、可愛らしい薄いピンクシフォンワンピを着た女の子。
「あぁ、妹のかおりですよ」
「はじめまして、かおりです」
頭を下げ微笑む顔は、壱と少し似ている。
「心菜さんが、かおりも是非って言ってくれたんですよ」
へぇ~そうだったんだ。と思った愛未。
「かおり、お前、もう……川合の事は」
「お兄ちゃん……まだ、そんな話してたの?
もう、沙耶の事だけ考えてれば良いって、何回言ったらわかるかなぁ?」
「でっでも」
「ちょっ!かおり」
大きく溜息をつき、呆れた顔で壱を見るかおり。
その横で真っ赤な顔の沙耶。
いっちぃーは、妹のかおりちゃんには弱いのね。
その光景を愛未はニヤニヤ見つめてた。
「でも、凄い人だねぇ……」
やっぱり林は、空気が読めない……というか、感じれない男である。
「そ~だね」
皆も、林に突っ込む事すらしなくなってた。
確かにそこは、結婚式と言うよりも、盛大なパーティ……記者会見でも行われるかの様な雰囲気だった。
「さて、私達もチャペルへ向おうよー」
愛未の声で皆が動き出した。