【完】プリンセス
聖壇前で、待つ。
清楚な花で飾られた教会堂。
さっきのウェディングドレスの様な純白のバージンロードの上を、父親の腕に手をかけ入場して来る心菜。
心菜のお父さん……号泣し過ぎだって。
てか、まだ2歩じゃん?
俺の横に来て、かけてた手を離す瞬間、
目に涙を溜めて、父親を見る心菜。
泣きながら微笑み、何度も頷くお父さん。
俺は、一礼した。
にっこり微笑んだ心菜を見て、俺も微笑んで真っ直ぐ前を見た。
讃美歌が流れる。
俺、本当に心菜と結婚するんだな……。
なんて当たり前の事を思ってしまった。