【完】プリンセス
いや、嫌とかじゃなくて。
18歳で結婚なんて想像もしてなかったし。
まさか、その相手が心菜だなんて……。
これっぽちも考えた事なかったんだ。
この18年間。
俺は親父に言われたから、心菜の護衛をしてた。
心菜も、お嬢様らしい事をされるのが嫌いだから、俺でいいんだと思ってた。
そして、何よりも心菜に負わした傷。
俺の護衛は、その傷の責任感へと変わってたんだ。
幼いながらも、女の子に傷を負わしたって事は、凄く心に残った。
しかも相手は、お嬢様。
消える位の、誰が見ても気づかない傷だとしても俺には、わかる。
その責任感だけだと思っていたのに……。
今じゃ、誰にも渡したくない。
心菜を心から愛してるんだ……。