【完】プリンセス


いや、嫌とかじゃなくて。


18歳で結婚なんて想像もしてなかったし。

まさか、その相手が心菜だなんて……。


これっぽちも考えた事なかったんだ。



この18年間。



俺は親父に言われたから、心菜の護衛をしてた。

心菜も、お嬢様らしい事をされるのが嫌いだから、俺でいいんだと思ってた。


そして、何よりも心菜に負わした傷。

俺の護衛は、その傷の責任感へと変わってたんだ。


幼いながらも、女の子に傷を負わしたって事は、凄く心に残った。


しかも相手は、お嬢様。


消える位の、誰が見ても気づかない傷だとしても俺には、わかる。



その責任感だけだと思っていたのに……。



今じゃ、誰にも渡したくない。

心菜を心から愛してるんだ……。

< 365 / 392 >

この作品をシェア

pagetop