【完】プリンセス
「愛未ちゃ~ん、頑張ってねー!」
「勿論よ、林君。次は絶対、私達の番だからねー」
「愛未、バカだな……」
「うん、バカだ」
「俺、あんなバカな姉とか嫌なんだけど」
「黙れっチビ林!」
愛未さんと林……は、いいとして。
弟には素なのか?
それを見て笑ってる……林って。
やっぱ、天然は恐ろしいな。
「見て、陽呂!
林君がいっぱい居るよ?」
「ぶっ! 林がいっぱい居たら怖いですよ?
弟ですって」
「わかってるけどー。
でも……似てる~!」
当たり前の事を言われた心菜は、少し拗ねながらも林の弟達を凝視。
そんな心菜に愛未さんが、
「ちょっと、心ちゃん?
早くしてよー!
準備万端なんだから!」
「あーはいはい」
小さな声で、『うっさいなぁ、愛未のやつ』って言ったのは、内緒だな。
「心ちゃん、こっちよーこっちっ!」
恥ずかしげもなくデカイ声の愛未さんを、サラッと無視して、
皆に背を向ける心菜。
「行くよー?」