【完】プリンセス
そして着いた真っ暗な役所。

土曜日で、時間外って事もあり誰も居るはずがない。



俺達は、何度も確認した親父の持ってた婚姻届を受け取り、時間外受付へと向かい提出した。



「はい、責任を持って預かりました。もし、誤りがあったら連絡行きますからね?」

「はい!」


受付のおっちゃんに力強く返事をした俺達に『若いね~おめでとう』って声をかけてくれた。


何だか照れ臭くて……また2人で笑った。





「これで夫婦だね」

「だなっ」


横を見ると、左手に光る結婚指輪を空に向けて見てる。


その目線の先には、珍しく綺麗な星空。



俺も同じ様に、左手に光り輝く結婚指輪を空へを向けてみた。



左手を星空に重ね……
キラキラと輝いて見えた。


「帰るかっ」

「うん♪ 帰ろうっ」

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