【完】プリンセス
その笑顔が、すげー綺麗で。
結婚式の時のドレス姿みたいで。
また、少し赤くなった顔。
だけど、その笑顔が綺麗で、優しくて……緊張とは別のものが溢れ出て来た俺は、そのまま心菜をベットにユックリ倒した。
ギュッと瞑る目に優しくキスをした。
そっと開いた瞳には、俺だけが映ってる?
だから、やっぱりそんな優しい笑みを零すの?
甘い吐息が漏れる度に心菜を、綺麗だと思った。
涙を沢山溜めてるのに微笑む心菜を、愛しいと思った。
俺の名前を何度も呼ぶ弱々しい声に、可愛いと思った。
苦しそうに痛みを我慢する。
「心菜? 辛いなら止める?」
小さく首を横に振る。
「無理しなくてもいいよ?
今まで待ったんだし。
後ちょっと位はさ?」
これは、本心。
嘘だろ? って自分でも思うけど、本心なんだ。
焦らなくても心菜は、俺の腕の中に居る。
だから……今は心菜を優先させたい。
ただ、そう思ったんだ。