【完】プリンセス
「で、陽呂君、何してるの?」
「心菜さんを待ってるんだけど」
「あっ、そっか、心菜さん、副会長になったんだっけ?」
頷く俺に、杉下沙耶は、にっこりと笑った。
「壱人君の、お気に入りだもんね。心菜さん♪」
「はぁ?」
「あれ?知らないの?」
そう言った、杉下沙耶は、丁寧に教えてくれた。
心菜を気に入った柏原壱人は、無理矢理生徒会に入れた事。
妹の事も根に持ってる事。
そして俺の事が嫌いな事まで……。
「全然知らなかったけど……俺を嫌いなのは、どーでもよくね?」
「確かにね」
俺と同じ様な苦笑いを浮かべた。
「てかさ、俺と話すの初めてだよな?」
「え? うん」
じゃあ……何で……。
「あっ!そっか!」
でっかい声で言う杉下沙耶にちょっとビビった。