【完】プリンセス
「でね、籍なんだけど、いつ入れる?」
心菜の母親が楽しそうに聞いて来たんだ。
日曜の朝っぱらから、緊急でって……こんな事かよ。
眠ーい……ふぁーー……。
「ってッ」
横には、俺を目で殺すかの様に睨む親。
恐ぇーーー!
「私は、いつでもいいわ」
心菜が、全く興味なさそうに答えた。
って、おい!
諦めたのかよ、柏原の事。
さすがに、柏原もバツ1だと結婚しにくいぞ?
若いのに再婚ってなったら話もややこいだろ?
ここは……保留。
が1番じゃねーか???
「あー……取り合えず、卒業してからがいいんじゃないですか? 手続とかもありますしね?」
皆が、そろって驚いた顔をして俺を見た。
え???
何かマズった???
「……そうね、陽呂がそう言うなら、そうしましょ?」
心菜が助けの声をくれた。
心菜も驚いた顔してたの……気のせい???
心菜の親も、俺の親も、すぐでいいのに~って愚痴ってたけど。
心菜の気持ちも考えてやれよな?
知らないんだろうけどさ?