【完】プリンセス
渋々、生徒会を後にする生徒と逆に、生徒会長……壱のところへ行く私。
「壱、あの……私」
全て解ってたかの様な表情の壱は、私を生徒会長室に入れた。
少し驚いて呼ぶ愛未の声にも振り返らず、部屋に入った。
生徒会長室の豪華な椅子に、座った壱を見つめて頭を下げる。
「ごめんなさいっ!あの用紙……私が言われてたのに」
そう、あの文化祭に必要な用紙。
提出し直しのクラスに、生徒会長室から取り出して配る様に頼まれた。
全く忘れてたんだ。
「いや……俺も、用事があるからって心ちゃん任せにしたしね?」
「でもっ!私……副会長だし。それ位、ちゃんとしなきゃ……」
仕事をちゃんと出来なかった私が悪い。