【完】プリンセス
「え?」
「あ……。いえ、えっと……次は…」
私の手にある用紙を勝手に取って、クラスを調べる陽呂。
普通なら、ここでも『いらない』とか言うんだけどね?
陽呂が……私に普通に喋った事に驚いて。
ただ、そっちの方が気になって。
杉下さんは、いいの? とか。
何で手伝ってくれるの? とか。
そんな事より、そっちの方が凄い驚いて。
陽呂が……私に普通に喋った。
敬語じゃなくて。
まだ、本当に幼い頃に喋ってたみたいに。
いつも、他の人に喋ってるのを聞くだけだったのに。
私に……。
ただ、こんな事が凄く嬉しくて。
バカみたいだけど、嬉しくて……。
声も出ない位に……嬉しくて。