【完】プリンセス

「え?」

「あ……。いえ、えっと……次は…」


私の手にある用紙を勝手に取って、クラスを調べる陽呂。

普通なら、ここでも『いらない』とか言うんだけどね?



陽呂が……私に普通に喋った事に驚いて。

ただ、そっちの方が気になって。



杉下さんは、いいの? とか。

何で手伝ってくれるの? とか。



そんな事より、そっちの方が凄い驚いて。



陽呂が……私に普通に喋った。

敬語じゃなくて。

まだ、本当に幼い頃に喋ってたみたいに。



いつも、他の人に喋ってるのを聞くだけだったのに。



私に……。



ただ、こんな事が凄く嬉しくて。

バカみたいだけど、嬉しくて……。


声も出ない位に……嬉しくて。



< 68 / 392 >

この作品をシェア

pagetop