【完】プリンセス
何故か沈黙。
だー!
絶対、変だと思われたっ!
てかバレた?
陽呂の顔……見れないよ。
でも……もしかしたら全然気にしてない顔で歩いてるかもよ?
違う事考えてるかもよ?
勇気を出して見るか見ないか悩んでた時
「心菜さん……あの……キスしていいですか?」
「はぁ?!」
あまりの驚きに口を開け、俯いてた顔をあげた。
絶対……変な顔だろうけどね?
でも、そこには、にこっり笑う陽呂がいて……
「やっとこっち見ましたね」
って……なんだぁー。
それだけの為に言ったのね?
まじ焦ったじゃない!
バカ陽呂っ!
「思ってもない事、言わな……」
前を向き歩き出そうとした私の腕を、軽く掴んで、傾く陽呂の顔。
重なった唇。
ええええええええ?
少し離れた唇から小さな声で
「帰りましょっか……///」
そう言って、少し顔が赤い陽呂と真っ赤な私は、手を繋いでそのまま無言で帰宅した。