【完】プリンセス
「ま、両想いって勘違いして、そんな事言ったとかじゃない?
昨日の、いっちぃーとのリレーでも、ムキになってたし」
ムキ?
あれ、ムキだったの?
「え? え? 本当に?」
「さぁね」
「は? さぁねって?!」
「あくまでも、これは私の考え。確かめるのは心ちゃんだよ?
そろそろ、そんな傷に囚われないで自分の気持ち伝えてみたら?」
そう言うと、残りのジュースを一気に飲んでゴミ箱に投げ入れた。
カーンと音をたてて入ったそれを、見てるだけの私。
「ここまで、アドバイスしたんだから、ちゃんとしなよ~?
時期を間違えると取り返しのつかない事だってあるんだからね?」
時期……。
取り返しのつかない?
今が、その時期なの?
でも……陽呂は、本当の答えをくれる?
私に合わせたり……しないで?
そんな保障……ある?
陽呂は、本当の心を見せてくれるのかな?