だから、もう逃がさない。
「志乃、顔怖いけど。」
「ウルサイ。元がこういう顔なんです」
呆れたように私の席の前にお弁当を置いて苦笑いするのは、
親友の美奈子だ。
「けどさー、あの子ら懲りないよねぇ。被害受けたってお前らにも火がないわけじゃないだろって話」
確かに、美奈子の言ってることは正論なんだけど………
はっきり言うね。気持ちいいくらいに。
「女子高だし、しょうがないんじゃない?」
「なら共学にすればよかったのに」
なんでわざわざココ選んだのか、分からん、付け足して毒を吐く美奈子もいつものことだ。
それもそうか。
共学にすれば、ココよりは圧倒的に恋愛は充実するだろうし、男に飢える人もいない。
この学校の出会いの場と言ったら、姉妹校の男子校しかないのだから。
あの、チャラチャラしたり無茶苦茶にやったりする高校の男子しか、いない……。