こうして僕らは、夢を見る



「桜子の永遠の片想いだよ。」

「だから笹室先生が光陽に居るかもしれないじゃない!」

「居たらどうするの?」

「そんなの決まってるじゃない。想いよ、届け!桜子、いざ参る!―――よ。」

「意味わかんねえよ。」





ちょっと大丈夫?恋は盲目なの?て言うか、盲目よりも単純に頭の螺が外れた感じだよね?ちょっと阿呆な子みたい。





「笹室先生にこの長年の健気な想いを伝えるのよ!」

「え。まだ好きなの?」

「え。好きじゃないの?」

「いやいや、聞かれても困るんだけど。」





鏡越しで目が合うと桜子に驚いた眼差しを向けられた。いやいや、ビックリしたのコッチなんだけど。

本気でまだ好きなの?て言うか、高校時代の追っかけも本気なの?冗談半分なのかと思ってた。桜子の恋愛事情は良く分かんない。





「とりあえずセッティングして!お願い、蕾!」





おいおい。セッティングって…

合コンじゃないんだからさ…?


悠長なことを考えていると桜子に肩を揺さぶられる。ま、待って!チーズinハンバーグが出てきそう!チーズが口からコンニチワしちゃうから揺らさないで!オマケに籃君から貰ったミネストローネが出てくる!





「つぼみぃ〜!」

「わ、わかったから!」

「ほんと!?」

「う、うん。」





そう言うとすんなり肩から手を離してくれた。それにホッと胸を撫で下ろす。一安心だよ。


皆からチマチマと貰った料理が口から出て来られちゃ困るからね。こう見返すとかなりの量を食べてる。あきらかに貰いすぎだよね?――――――だ、だけど、それは皆が私のお皿に乗っけて来るからやむを得なくって感じで食べてるだけ!



皿に乗っけて来るのは皆が私を食いしん坊だと勘違いしてるから?




ガ――――ンッ!

容赦なく頭に石が降ってきた。



完璧食い意地張ってる女だと思われてますよね?だって、しおらしさなんて皆無だったし。ガツガツ食べてたもん。もう最悪っ!
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