こうして僕らは、夢を見る

12






















―――ああ。漸く来たね。随分と久しぶりに逢うな。




――――――――お久しぶりです鷹見沢さん。蕾とのプライベートタイムばかりじゃなく、またお店にも入らして下さいな。




―――――はは。営業かい?抜かり無いね。また行かせて貰うよ。それより「桜子桜子」と蕾が連呼するんだよ。




―――はぁ。何だかすみません。ご迷惑をお掛けして。電話有難うございます。ちょっと!いい加減にしなさい!呑み過ぎよ!?




―――――――……駄目だ。聞こえてないらしい。泥酔い宣言までされたしね。ははは!




――――…笑い事じゃないです。蕾が酔うなんて珍しい。人前では絶対に酔わないのに。え?なに?桜子も一緒に呑もう?……はぁ?呑まないわよ。馬鹿じゃないの!呑み過ぎ!酒禁止命令発令!




――――――――すんなり聞く子じゃないさ。




――……はあ。何でこんな酔ってるの。何か合ったのかしら?




――――合ったみたいだよ。蕾は意外に繊細だからね。嫌われる事や拒絶される事を極端に嫌う。拒絶されるなら自ら拒絶する子さ。




まあ確かに。一種の自己防衛ですよね。蕾に何が合ったんですか?




ああ。ついさっき――――…








< 184 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop