こうして僕らは、夢を見る
羽根が生えたようで気持ち良かった。
風を肌で感じることが心地好かった。
地面を駆ける時がワタシの自由。柵(しがらみ)の全てから解放される瞬間だった。まるで青い空の下を駆ける自由なブルーバード。
空を見上げながら駆けるワタシはいつか本当に羽撃けるんじゃないかとさえ思った。あの青と一体化出来るんではないかと空を見上げながらワタシは走っていた。
だけど…
羽根を奪われた鳥は未完成のまま墜落してしまう。
<蕾(つぼみ)さん。貴女はもう―――――…>
青が澱む。
青にはなれないワタシ。
死刑宣告のようで息が詰まった。
< 走ることは出来ません >