こうして僕らは、夢を見る
「ネクタイが青ってコトは体育科だよね――――…ってソフトテニス部の時点で体育科か。」
ははッと笑う私に次の瞬間。
――――――朔君は爆弾を落としてくれた。
「蕾さんは体育科だったのか?」
「………え」
私はその言葉を聞いて固まった。
体育科、
確かに私は体育科だった。2年の半ばまで。毎日のように部活に明け暮れていたのが一転。
――――――私は途中から普通科に行く事になった。異例の出来事で普通科からは異様な眼差しで見られていたのを覚えている。
特待生として光陽高校に入った私は2年の半ばまでは体育科として陸上部に所属していた。
だけどある事情で私は陸上部を去らなくてはイケなくなってしまった。"陸上部"だけに留まらず"体育科"さえも。
走れない者は体育科には必要ないからだ。青空の下を駆け回る事が出来なくなった私はこうして普通科に移籍した。
「――……私は普通科だよ。」
途中からだけど、
その言葉をグッと呑み込んだ。
普通なら私の成績なら普通科への移籍も危うく光陽高校にも居られないが私は異例。理事長や校長のご厚意で普通科に留まった。
なのに「私は体育科でした」なんて言えない。私は光陽高校普通科の卒業生なんだから。