こうして僕らは、夢を見る




「ってえなァ何すんだKYHB!テメーが端っから見とかねえのが悪いんだろうが。いちいち逆ギレしてんじゃねえよ。ああん?」

「ちがああああう!違う!何かが違う!まず私はKYHBじゃない!て言うか何その通称名!?寧ろBNBじゃない!?」

「はあ?BNB?」

「ボインでナイスバディな美少女!ふふふ!ぴったり!」

「「「「「…………」」」」」

「……どうすんだよ。この空気」

「え?ちょっと。どうしちゃったのさ?」





一斉に私から目を反らす5人。話していた翼は辛うじて突っ込んで来る。



私が聞きたいよ!ナイスバディでボインなお姉さまでしょ!?Dカップ万歳!太ってワンカップ大きくなったから!背が低いから巨乳に見えるの!わからないの!?





「私おっぱいデカイと思うよね!楓君!?」

「は!?俺!?」

「そこで楓をチョイスするとは質悪いね〜」





私は楓君に詰め寄る。後退する楓君の腕を即座に掴み逃げ場を無くす。ふふふ。逃がさないもんね!



私は悪どい笑みを浮かべているに違いない。私がお代官さまで楓君が姫さまだ。これまでの屈辱を晴らすのよ!私が一枚上手だと言うことを教えてやるわ!うふふ!





「ほら!揉みなよ!」

「もっ揉むぅ!?」

「おっぱいの大きさは揉んだら分かるよ!」

「おっぱ‥――――ぶはっ」

「やべ〜楓鼻血出しちまったじゃね〜の。どうすんの?蕾ちゃんのせいじゃね?」

「わーい。やったね。きっと私の色気に殺れたのね。KO勝ちだ。さあ祝賀会でも開きましょうか?弟子達よ」

「綺麗に纏めんな」

「ですよね」





翼に睨まれ素直に頷く。



慌てて楓君にティッシュを渡すが逆上せるようにボーッとしている。顔は真っ赤。こちらの世界になかなか戻ってこない。朔君が呼び戻すために顔を叩いてる。朔君、容赦ねええええ‥………!



うん。楓君。本当にごめんなさい。反省しています。きっと目が覚めたら頬が痛むよ。



あんまり揉まれること自体に抵抗無いんだよ。相手にも選るけど。楓君ならからかえると思った。でもまさか言葉で気絶するとは…





「いっつも崇に揉まれてたからな――…………」

「は?」

「え?」

「は?」

「え。な、なに?」





司くんが「は?」だけ言うと私を凝視してくる。蒼眼を見張り私を見つめる顔は恐ろしい。





「いまなんて?」

「いま?私なんか言った?」

「言いました」

「言ってない!」

「言いました」

「言ってない!言ってない!」





何を言ったのかは覚えてないけど余りに恐ろしいため顔を横に振り否定する。勢いが有りすぎで顔がもげそう……!



そしてハート型のクッションを翼に投げつけた。





「だいたい翼のせいだからね!?パティオパティオうっさいんだよ!何がパティオだ!パティオよりパティシエのほうがいいね!フルーツタルト作ってくれるパティシエのほうが断然好きだもん!」

「俺だってパティオよりパティシエのほうがいいわボケ!チョコレートケーキ食い放題になるほうがいいに決まってんだろ!」

「はあああああん?パティオ熱はどうしたの?パティオパティオ言ってたじゃん!」

「キモいんだよブス!」

「いきなり!?」





前触れもなく罵倒ッスか!?自分の立場が悪くなると逃げる癖止めましょうよ蒼井さん!





「パティオをお前が見てねえからこんなことになってんだよ」

「まだ言うか」





しつこい蒼井翼君に眉を顰める。この怒りを打つけたいがハート型のクッションは向こう。もう投げるものはない。クソッ





「いい?元はアンタたちが私の話を聞いてなかったのが悪いの」





翼だけでなく全員を見渡してそう言った。ようやく本題に戻せた!内心では私が胴上げされている。問題児×6が集まると大変。幼稚園の先生になった気分だよ。
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