こうして僕らは、夢を見る
「見るからにお前、運動出来なさそうだしな。」
「…ははは、」
翼の言葉に頬が引き攣りそうになったが耐える。表ではしっかりと笑顔の仮面を張り付けた。
運動出来ない、か。
出来ないよ
運動はもう出来ない。
正解だよ、翼。
自嘲的な笑いを浮かべているとグイグイと服の裾を引っ張られた。隣を見ると又もや涙君が私に何か言いたそうだった。
「ん?」
「……テニス」
ポツリと何かを呟いた涙君。だけど私は聞き取れなくて首を傾げた。もう1度涙君が何かを私に呟くのを辛うじて聞き取る。
「……テニスは、するの?」
「へ?テニス?」
「……うん。」
私の問いにコクンッと頷いた涙君。可愛いなオイ。ッて違う違う。涙君の可愛さに殺られるところだったよお姉さんは。
テニスってテニスだよね?
「テニスはしないよ。」
て言うかした事ないし。
そう首を横に振ると――――――――――籃君の白いテニスボールに目が留まった。
そこで不意に思い出す。