こうして僕らは、夢を見る
カウンターに座る私はテーブルに座る籃君たちを盗み見る。朔君は案外向こう側の人間。1番マトモそうに見えて1番チャレンジャーかも。まぁ結果的に言うとマトモな奴は1人も居ないと言うこと。悲しき事実だよ。
「ぐはっ、」
「ハッ!ざまあみやがれ。この俺様を苔にした罰だぜ。大葉真いかに紅生姜を隠した寿司だ!」
もはや寿司じゃねえよ。
まず赤すぎだろ!?紅生姜に合うのは焼そばだけでしょ!寿司なんかに入れるなよ!?ガリならまだしも紅生姜って………!
犠牲者となった籃君に合掌した。
「…最悪じゃね〜の。紅生姜よりガリのほうがいいわ。お前のチョイス疑うぜ。なんか変な後味がするわ〜…。吐きそう」
「このサーモンなんか変じゃね?何か匂いクセえんだけど。絶対、翼だよな?何か酸っぱい臭いがする。これ、お酢か?」
「もはやロシアンルーレットではない。罰ゲームでもない。ただの“罰”だな。当たりが何1つないと言う寿司を食べて何が楽しい」
いや!始めたの君達でしょ!?
嘆かわしく呟く朔君の声に突っ込みたくなった。籃君は「あ〜…」と唸り口直しにジュースを呑んでいる。楓君はお酢に浸した寿司の匂いを嗅いでは顔を顰める。
もはや誰も得をしないロシアンルーレット。
朔君の言う通り只の“罰”
そして出し抜けに、
「つーぼーみちゃん」
気持ち悪いくらいに満面の笑みを浮かべた翼君が寄ってくる。爽やかすぎて気持ち悪い。その笑顔の下には途轍もない事を企んでいると考えただけで憂鬱な気分。
「………なに」
「まぁまぁ。そんな警戒すんなよ。そう悪いようにはしねえから。ちょっと遊ぼうじゃねえの」
「………司くん達にでも」
“司くん達にでも遊んで貰いな”
そう言おうとしたのに一斉に目を逸らされた。明後日の方を向いた司くんと涙君。こういうときだけ薄情な子達だ。解らなくもない。だってあまりにも翼が気持ち悪いから。この笑顔が恐い。
そして5つの寿司がズイッと前に出された。
「さあ。こっから1つ選べ」
「はあ?どうせ絶対に全部ハズレなんでしょ?遣らないよ」
「ハズレは1つだけだぜ」
「………」
ジーッと寿司を見つめるる。5つとも全て玉子。遣らない手筈もあるけど、早く選べと言わんばかりに玉子を前に突き出してくる翼。確率は5分の1。少しドキドキする。
緊張のあまり生唾を飲み込み恐る恐る真ん中の玉子を手に取る。
このとき翼が厭な笑みを浮かべた事に私は気が付かなかった。
「ぐはっ、」
「ハッ!ざまあみやがれ。この俺様を苔にした罰だぜ。大葉真いかに紅生姜を隠した寿司だ!」
もはや寿司じゃねえよ。
まず赤すぎだろ!?紅生姜に合うのは焼そばだけでしょ!寿司なんかに入れるなよ!?ガリならまだしも紅生姜って………!
犠牲者となった籃君に合掌した。
「…最悪じゃね〜の。紅生姜よりガリのほうがいいわ。お前のチョイス疑うぜ。なんか変な後味がするわ〜…。吐きそう」
「このサーモンなんか変じゃね?何か匂いクセえんだけど。絶対、翼だよな?何か酸っぱい臭いがする。これ、お酢か?」
「もはやロシアンルーレットではない。罰ゲームでもない。ただの“罰”だな。当たりが何1つないと言う寿司を食べて何が楽しい」
いや!始めたの君達でしょ!?
嘆かわしく呟く朔君の声に突っ込みたくなった。籃君は「あ〜…」と唸り口直しにジュースを呑んでいる。楓君はお酢に浸した寿司の匂いを嗅いでは顔を顰める。
もはや誰も得をしないロシアンルーレット。
朔君の言う通り只の“罰”
そして出し抜けに、
「つーぼーみちゃん」
気持ち悪いくらいに満面の笑みを浮かべた翼君が寄ってくる。爽やかすぎて気持ち悪い。その笑顔の下には途轍もない事を企んでいると考えただけで憂鬱な気分。
「………なに」
「まぁまぁ。そんな警戒すんなよ。そう悪いようにはしねえから。ちょっと遊ぼうじゃねえの」
「………司くん達にでも」
“司くん達にでも遊んで貰いな”
そう言おうとしたのに一斉に目を逸らされた。明後日の方を向いた司くんと涙君。こういうときだけ薄情な子達だ。解らなくもない。だってあまりにも翼が気持ち悪いから。この笑顔が恐い。
そして5つの寿司がズイッと前に出された。
「さあ。こっから1つ選べ」
「はあ?どうせ絶対に全部ハズレなんでしょ?遣らないよ」
「ハズレは1つだけだぜ」
「………」
ジーッと寿司を見つめるる。5つとも全て玉子。遣らない手筈もあるけど、早く選べと言わんばかりに玉子を前に突き出してくる翼。確率は5分の1。少しドキドキする。
緊張のあまり生唾を飲み込み恐る恐る真ん中の玉子を手に取る。
このとき翼が厭な笑みを浮かべた事に私は気が付かなかった。