こうして僕らは、夢を見る








「懐かし………」




懐かしい。


懐かしすぎる。


良い意味でも、悪い意味でも。




いろんなモノが込み上げてくる。遣りきれないモノが。私にはやり残したモノが有りすぎる。後悔しかない高校時代だった。




光陽高校は良い場所だ、本当に。お世辞とかではなく心からそう思う。


私が馴染めなかっただけ。


私にとったら、ただの墓場でしかない。










純粋に彼等が羨ましかった。


楽しそうにボールを打つ彼等の姿が目に焼き付いて離れない。辛い練習でも耐えられる精神力を持ってるんだろうな、きっと。


――――‥‥それと同時に光陽高校陸上部のユニフォーム姿で青に手を翳す私の姿も脳裏に映し出される。


今となっては青に近づくどころか遠ざかってしまったけどね。








ひとり、私は思わず自嘲的な笑いを浮かべた。










はじめテニスコートで輝く彼等を見掛けたときは早く立ち去りたいとか思ったけど、





いまは




「またいつか、会えたらいいな」って思った。
















「―……ちゃらら〜ん。『青春』ゲーット。英雄・蕾『青春』所持しました。」






なーんちゃって。


帰ったらRPGのゲームでもしようかな。






(奮発して買った大量のアイスは無くなったけど、思わぬ収穫をした昼下がりの出来事だった。)






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