こうして僕らは、夢を見る
「蕾さんのことなら昨日、何度も聞かされましたから。忘れるなんてコトありませんよ。」
昨日――――…
それは私が5人の少年達と出逢った日。
そして本日。不意に頭に浮上した昨日のテニス少年達。彼等が気になった私はコンビニの次いでだと称してテニスコートに足を運んだ。
着いたテニスコートには誰も居なかった。無人のテニスコートを見ると自分で来ておきながら私は少年達が居ない事に少なからず安心していた。
誰も居ないからと素早く帰るのは癪にだったため昨日から興味深ったテニスコートを散策していると微かに石段付近から聞き覚えのある声が耳に届き―――――――――――咄嗟に隠れてしまった。
茂みに隠れたのは条件反射。
その聞き覚えのある声は昨日の少年達の声。
隠れてしまった手間茂みから出にくくなってしまった私の肩を後ろから叩いたのが、現在。
私の隣に座っているこの美少年。
息を潜めていたのに何故か見つかってしまった。聞くところに因れば茂み辺りから視線と気配を感じたらしい。君は超人か。その身体能力ならFBIに入れるよ。
しかし「話していた」と言う発言に私は本気で驚いている。
「―…そ、そうなの?忘れられてたらと思うと話し掛けにくくてさ。『あ?誰だよテメエ。この俺様に話し掛けるなんざ百万年早いんだよチビ。』とかあの性悪男に言われそうだし。」
「それは無いですよ。俺が保証します。」
そうかな……?
一体その根拠がどこから出てくるのかお尋ねしたい。言われそうだから出れられなかったんだけど。それなら茂みと一体化するカメレオンになる必要なかったじゃん!