こうして僕らは、夢を見る
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* * *
のらりくらりと歩きながら鮮黄色の花びらを咲かせる向日葵に横目で見入る。
誰かが育てたのか歩道脇の花壇には夏らしい向日葵が咲き誇っていた。
向日葵から視線を逸らすと手を翳して太陽に目を移す。
指の隙間から見える太陽はカンカン照り。しかし向日葵のように朗らかな情緒にはならない。
常夏のような暑さにイラッとする。それにしても蒸し暑い…。こんな事なら短パンにするんだった。
Tシャツに張り付く汗が気持ち悪くて更に私を苛立たせる。
「……あっつ」
頭の中は7割方“暑さ”で埋め尽くされている。
あーあ。こんなとき熱帯魚は羨ましい。涼しい水槽で観察されてるだけだもん。優雅な日を送る魚にちょっぴりジェラシー。
『海に行ける長期の休みがあればいいな……。』なんて叶わぬ願いごとを呟いてみた。