こうして僕らは、夢を見る
ん?
んん?
うんんんん?
どうしたんだろう?急に。
悩み果てる私に金髪美少年――――――基司くんはポツリと言葉を零す。
「……蕾さん、マネージャーみたいですね。」
翼と同じように僅かに固まっていた司くんは苦笑い気味だ。
<マネージャー>
―……って確かマネージメントのことだよね?
簡単に言えば選手のサポートする人のことだよね?体調管理とか練習のお手伝いとか裏で支えているけど一歩間違えればただの雑用。稀に人使いの荒い部もある。どちらかと言うと格好いいサポーターより忙しい家政婦じゃん。
そのマネージメントが私?
「ないないない。私がマネージメントとかあり得ないって。対して器用な方じゃないし。家事とか無理無理。片付けられない女だもん。心は乙女だけど大雑把だよ。」
「そうですか?マネージャーとか似合いそうですけど。俺達のマネージャーなんてどうですか?逆ハーレム味わえますよ?」
「はは、」
自分で言うな。
私はそう突っ込みそうになった。君たちの逆ハーレムどころか雑用の逆ハーレムになってしまいそうで恐怖だ。溢れ返る洗濯物(タオル&ユニフォームの山)に埋もれる私が容易く想像出来てしまう。
君達のマネージメントなんて濃き使われそうな役だよね。意外に人使い荒そうだし。
――…そう思い司くんに視線を寄越せば目が合った。私の探るような視線にもニコッと笑みを浮かべてくれる司くん。
人相いいなあ
因みに司くんとは今日が初対面。
昨日すれ違った金髪蒼眼の美少年をまさかもう一度拝めるなんて思わなかった。それも間近で。近くで見る司くんは本当に綺麗で目が奪われてしまう。
そんな美少年が文武両道を掲げる光陽高校強豪男子ソフトテニス部の部長だと誰が思うだろうか。
コートに気高く君臨する姿なんて容易く想像する事が出来ない。グリップを握ってボールを打つ運動部とは程遠い。一見文芸部にでも所属してそうだから。もちろん良い意味で。手芸とか園芸とか似合いそう。