こうして僕らは、夢を見る
翼同様スポーツドリンクを涙君に差し出せば一瞬キョトンとされたがスポーツドリンクを手にすると柔らかく笑ってくれた。
「……ありがとう」
う、わあ
ふんわり笑った涙君に目が眩む。一見クールな男の子に見えるのに何だかほんわかとしたオーラを身に纏っている。
涙君だけに限らず外見と中身のギャップが少年達は激しいようにも見える。特に司くんとか楓君とか司くんとか司くんとか司くんとか。見るからにイメージと違う。それが個性なんだろうけど。
「お姉さん?」
「……え?あ。籃君。」
「どうした?ボーッとしてるぜ?熱中症?」
これまたいつの間にか傍に居る籃君。
顔を覗き込むように私の顔色を窺ってくる籃君に私は「大丈夫だよ」と言いスポーツドリンクを手渡した。
君達の個性について考えてました―――――なんて言うと馬鹿にされそうだったからドリンクを渡して誤魔化した。
「蕾さんマネージャーみたいだな。」
朔くんが私の手渡したドリンクを見てポツリと呟いた。
「あ。それ俺も思ったじゃねえの。スポドリ渡されるとか結構キちまうよな。まじで蕾ちゃんがマネージャーに見えちまったぜ。」
「……俺も。」
朔君の言葉に籃君と涙君も頷いた。え――………まじか。
「それさっきも言われたよ。」
そんなにマネージャーが欲しいのか君達は。光陽普通科から雇えばいいのに。私がマネージャーとかあり得ない。健気に両手を握って「頑張って!」なんて言えないし。何もこんなオバサンに応援されても嬉しくないだろ。
癪だけど翼の言う通りブスだし気力湧かないと思う。もっと今時の可愛い可愛い女の子達が山程光陽高校には居るだろうに。
そんな私の気持ちを露知らず少年達は話している。
「蕾ちゃんがマネージャーなら俺頑張れんだけどね〜。」
「今でも充分頑張ってるよ。」
籃君に限らず皆頑張ってるよ。
本当に暑いなかご苦労様だよ。
部活終わりにまた練習なんて大したもんだ。私なんて君達が部活していた時間帯は家で魔物と闘ってたし。ボス戦なんて大変で小一時間テレビ画面と格闘してたよ。