こうして僕らは、夢を見る
私が「頑張ってる」と言ったことで籃君は笑う。そして先程まで司くんが座っていた場所に腰掛けた。
因みにいま司くんは楓君とお話し中だ。お話しと云う名のお説教だろう。御愁傷様である楓氏。顔色が真っ青な楓君に合掌せずには要られない。
私の右隣に座りながら籃君は話し出す。私はマネージメントに不向きだと言う発言について。
「そんなことね〜よ。蕾ちゃん居たら遣る気がちげ〜もん。まじでマネージャーなんねえ?」
「蕾さんは面倒見が良さそうだからな。マネージャーに向いてる。」
「……ありがとう?」
籃君と朔君が私を煽(おだ)てる。密かに涙君も頷いているのを横目で捕らえた。一応褒められているらしく小首を傾げながらお礼を言った。
あ〜あ……。このやり取り二回目なんだけど。さっきも言ったけど私は数年前に高校卒業してることを君達は忘れていないかい?2度目の高校生を遣るつもりなんて毛頭無いからマネージャーの白紙。
「ははは、」と笑いながら話を誤魔化す。きっと少年達も冗談半分に違いないからね。
そして空笑いを浮かべる私の耳に―――‥
――――――ぱ あ ‥ん――
聞こえてきた打音。
届いてくる音に耳を傾ける。この音は昨日と同じ音。この音を辿って来た事で私はここに辿り着けた。そして今私は此処に居る。
―――――そう。この音はボールを打つ音。
「あれ?」
その音を放っていたのは司くんと楓君だった。
いつの間にか二人はコートで乱打している。コートの半面を行き交う白いボール。
そして白が主体で水色のラインが入ったユニフォームを着たテニス少年はボールを追い掛けている。
昨日は制服だったけど今日は部活帰りと言うこともありユニフォーム姿。何だか昨日とは違いユニフォーム姿の為か一段と迫力が増している。本当に公式試合の観戦をしているみたいだ。
「……凄い」
簡単な言葉だけど、これに尽きる。
本当に“凄い”
まるでラケットと一体化しているみたいだ。ボールが自由自在に操られているかのようで曲芸を見ている気分に陥る。
因みにいま司くんは楓君とお話し中だ。お話しと云う名のお説教だろう。御愁傷様である楓氏。顔色が真っ青な楓君に合掌せずには要られない。
私の右隣に座りながら籃君は話し出す。私はマネージメントに不向きだと言う発言について。
「そんなことね〜よ。蕾ちゃん居たら遣る気がちげ〜もん。まじでマネージャーなんねえ?」
「蕾さんは面倒見が良さそうだからな。マネージャーに向いてる。」
「……ありがとう?」
籃君と朔君が私を煽(おだ)てる。密かに涙君も頷いているのを横目で捕らえた。一応褒められているらしく小首を傾げながらお礼を言った。
あ〜あ……。このやり取り二回目なんだけど。さっきも言ったけど私は数年前に高校卒業してることを君達は忘れていないかい?2度目の高校生を遣るつもりなんて毛頭無いからマネージャーの白紙。
「ははは、」と笑いながら話を誤魔化す。きっと少年達も冗談半分に違いないからね。
そして空笑いを浮かべる私の耳に―――‥
――――――ぱ あ ‥ん――
聞こえてきた打音。
届いてくる音に耳を傾ける。この音は昨日と同じ音。この音を辿って来た事で私はここに辿り着けた。そして今私は此処に居る。
―――――そう。この音はボールを打つ音。
「あれ?」
その音を放っていたのは司くんと楓君だった。
いつの間にか二人はコートで乱打している。コートの半面を行き交う白いボール。
そして白が主体で水色のラインが入ったユニフォームを着たテニス少年はボールを追い掛けている。
昨日は制服だったけど今日は部活帰りと言うこともありユニフォーム姿。何だか昨日とは違いユニフォーム姿の為か一段と迫力が増している。本当に公式試合の観戦をしているみたいだ。
「……凄い」
簡単な言葉だけど、これに尽きる。
本当に“凄い”
まるでラケットと一体化しているみたいだ。ボールが自由自在に操られているかのようで曲芸を見ている気分に陥る。