こうして僕らは、夢を見る
自分でも清々しいほどの対面だと思った。昨日あんな別れ方した癖に何事も無かったかのように対面するとか神経図太すぎる。
あれだよ、あれ。
満員電車で幼稚園児位の子なら座れるであろう僅かに空いてるスペースに無理矢理座ろうとする小肥りのオバサンの図太さ。普通は御老人・妊婦さん優勢なんだから。
それぐらい神経が図太いひとみたいだよね今の私。
だけど気まずいオーラ放ってギスギスする空気より知らんぷりして清々しいオーラを放つ方が数倍良いと思った。咄嗟の判断だったんだけどな。
そんな私の考えに気がついたのか朔君が言う。
「だから余計楓も声を掛けにくかったんだろう。予想以上にあっさりし過ぎた蕾さんに。」
「……そっか。」
何だか罪悪感が沸いてしまう。
そりゃあ張本人が何事も無かったかのように振る舞ってるのに昨日の話に触れるのは躊躇っちゃうよね。結局は逃げたのだって楓君のせいな訳でも無いのに誤解させて申し訳無さ過ぎる。他の皆にも心配掛けたみたいだし。
やってんだろ私…
毎度毎度後先を考えずに突っ走る自分に自己嫌悪に陥ってしまう。しかしそんな私に見兼ねたのか声を掛けられてくれた。
「気にするな。」
「え?」
軽く凹む私に朔君が優しく言う。幾分柔らかいその声色に僅かに驚いた私は朔君に視線を向けた。
「アイツも不器用な奴だから素直に謝れなかっただけだ。何も声を掛けにくかったのは蕾さんのせいではない。」
「……うん。」
逸らしても尚こちらにチラチラと視線を寄越す楓君。素知らぬ振りをしてても内心気にしてくれているのかな…?
朔君の不器用という言葉が頭を過る。
確かに楓君は不器用な子だと思う。空回りして誤解を生むようなタイプにも見える。だけどそれは楓君だけでは無いと思った。例えば朔君。けっこう朔君も不器用な方だと思うけどね。私の頭を撫でる手がぎこちないから。
「ふふ。」
「、どうした?」
「んーん。何でもない。」
ぎこちない仕草に笑みが零れてしまった。頭上に作られたハニーブラウンを色した髪で作られたお団子を崩さないよう気を付けながら撫でるところが私の笑いを誘う。
若干手が強張っているのに私を励ますために手を撫でる手を止めない。私が「ありがとう」そう言い撫でるのを止めるように託すと朔君はホッとしたように手を下ろした。
そんな朔君に又もや私は笑みが零れてしまい朔君から怪しい眼差しで見られてしまった。
あれだよ、あれ。
満員電車で幼稚園児位の子なら座れるであろう僅かに空いてるスペースに無理矢理座ろうとする小肥りのオバサンの図太さ。普通は御老人・妊婦さん優勢なんだから。
それぐらい神経が図太いひとみたいだよね今の私。
だけど気まずいオーラ放ってギスギスする空気より知らんぷりして清々しいオーラを放つ方が数倍良いと思った。咄嗟の判断だったんだけどな。
そんな私の考えに気がついたのか朔君が言う。
「だから余計楓も声を掛けにくかったんだろう。予想以上にあっさりし過ぎた蕾さんに。」
「……そっか。」
何だか罪悪感が沸いてしまう。
そりゃあ張本人が何事も無かったかのように振る舞ってるのに昨日の話に触れるのは躊躇っちゃうよね。結局は逃げたのだって楓君のせいな訳でも無いのに誤解させて申し訳無さ過ぎる。他の皆にも心配掛けたみたいだし。
やってんだろ私…
毎度毎度後先を考えずに突っ走る自分に自己嫌悪に陥ってしまう。しかしそんな私に見兼ねたのか声を掛けられてくれた。
「気にするな。」
「え?」
軽く凹む私に朔君が優しく言う。幾分柔らかいその声色に僅かに驚いた私は朔君に視線を向けた。
「アイツも不器用な奴だから素直に謝れなかっただけだ。何も声を掛けにくかったのは蕾さんのせいではない。」
「……うん。」
逸らしても尚こちらにチラチラと視線を寄越す楓君。素知らぬ振りをしてても内心気にしてくれているのかな…?
朔君の不器用という言葉が頭を過る。
確かに楓君は不器用な子だと思う。空回りして誤解を生むようなタイプにも見える。だけどそれは楓君だけでは無いと思った。例えば朔君。けっこう朔君も不器用な方だと思うけどね。私の頭を撫でる手がぎこちないから。
「ふふ。」
「、どうした?」
「んーん。何でもない。」
ぎこちない仕草に笑みが零れてしまった。頭上に作られたハニーブラウンを色した髪で作られたお団子を崩さないよう気を付けながら撫でるところが私の笑いを誘う。
若干手が強張っているのに私を励ますために手を撫でる手を止めない。私が「ありがとう」そう言い撫でるのを止めるように託すと朔君はホッとしたように手を下ろした。
そんな朔君に又もや私は笑みが零れてしまい朔君から怪しい眼差しで見られてしまった。