こうして僕らは、夢を見る
したがって二人を止められない。司くんさえ居なければ今ごろは二人をフルボッコで店内から追い出しているのに。



Bボタン連打で必殺技を繰り出しているところだろう。私が【ゲームオーバー】になる前に奴等を根絶やしにしてやる。



そう思いメラメラと瞳に怒りの炎を燃やして二人を横目で睨んだ。



『僕は興味ないです〜』

『これっぽっちも怒ってませんよ〜』



みたいに素知らぬ顔をしているが――――‥



「なら店のモノを荒らすのは止めろ!」と私は言いたい。



そう激しく主張したい。ほんとに何なんだお前達は!いったい何がしたいんだよ!?



清ました顔をしているが心の内では二人は相当苛ついているのか店のものにゲシゲシと蹴りを入れている。仮にもスポーツマンがモノを蹴るのはどうかと思うが。



つうか容赦ねえなオイ。



翼は椅子を倒した―――――――――――が「‥‥‥チッ」






えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ。



な、直すんだ。



翼が自分で蹴り倒した椅子を舌打ちしながらも、わざわざ立て直している。



い、意外と律儀なんだね?でも直すくらいなら端から蹴らなければ良いんだよ。直すのは店員さんなんだから。すなわちワタシ。仕事を増やさないで欲しい―――――――‥‥









って。『おいいいいいいいいい!!!!!!』



内心発狂したワタシ。



店内で発狂するのは流石に無理だ。私にもプライドと云う名の意地があるからだ。だけど‥‥



泣いていい?ねえ。泣いていい?君がお姉さんと呼んでいる、その「お姉さん」の心はもうズタボロです。



――――――――その看板と同じように。
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