こうして僕らは、夢を見る
目を見張ると小声で呟いた。瞳の色を驚愕に染める私の目の前には2面のテニスコートが存在した。生まれてこの方21年。かれこれ21年間この土地に住み着いている私だけどこんな処にコートが合ったなんて知らなかった。まさか地元にこんな穴場スポットが、と目を見張る。


テニスコートの存在にも驚いたけど私は目の前で繰り広げられる光景に釘付けだった。




音は確かに打音。

ボールを打つ音だった。

白い軟式用のテニスボール。

遊びなのか制服姿。

テニスコートには半面に2人ずつの計4人。審判らしき人が1人。

たかが遊び。されど遊び。

時折本気が見え隠れしている。

汗が滲み――――‥笑顔が滲む。





私はこの光景に釘付けだった。


白いボールを追い掛け輝きを放つ彼らに。
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