こうして僕らは、夢を見る
私はかなりキッパリしている。嫌いか好き。甘いか辛い。極端だ。だけど彼等に関しては、どっち付かず。味覚的には甘辛い味だ。
自分の気持ちが分からない。でも彼等を見る度に揺らいでいる自分がいるのは承知済み。どっち付かずなのは素直に成れない私なりの《素直》の形だ。
そして相変わらず、のんびり会話は続けられる。
「ま。蕾なら上手く遣れるわ。」
「さんきゅ―――って何がよ?」
「あいつ等とだよ。」
「上手くって―――‥」
「きっとあいつ等は蕾にとって刺激になってくれる奴等だろ。」
「‥‥‥‥」
刺激、か。
翔の言葉になにかを探るように目を細める。
訝しげな面持ちをする私を見た翔は再び含み笑いをしながら言う。
「どっちにしろ、もう既に刺激を受けてるみたいだがな。」
良い意味でも悪い意味でも――――――――付け加えるように翔はそう言った。
―‥‥あー、もう。
ほんと性格悪い。悪すぎる。
声を出さずに頻りに薄笑いを浮かべている翔が憎たらしかった。全てを分かりきったように上から物を言う翔に腹が立った。
――――‥‥それを否定出来ない自分には、もっと腹が立った。
遠回しに私が彼等に興味心を煽られていることも彼等の目映さに手を伸ばしかかっている事を回りくどく言ってくる。煩わしい。
的を射られ少し苛々し始めた私は再びカルピスの蓋を乱暴に開けて口元にペットボトルを宛がう。
勢いよく喉を通るカルピスジュース。ペットボトルが空になったのが分かると容器を唇から放した。
「―――ぷは!」
うま。これが生チューなら最高なんだけどな。
なんて考えていると勢いよく飲み過ぎたからかカルピスが変な気管に入り、噎せ始めてしまった。
「―――っごほ、げほ!」
「ジジイかよ。カルピスで噎せんなって。大丈夫か?いっぺんに飲むからそうなるんだよ。」
「うっさい。」
誰のせいだ、誰の。
もしも。いまが昭和でここが和室でちゃぶ台があるなら私はひっくり返しているぞ。煎餅が吹っ飛んで湯呑みがバリーん!って割れてるんだからな。昭和さながらの怒り方で翔を威嚇してる。
そう睨む私もアッサリ交わして、「はは。」と笑う翔にキレそうになった。空気読めよ。あきらかに笑う場面じゃないでしょうが。
だけれど翔が笑ったのは私の事ではなく別のことに対してだった。
自分の気持ちが分からない。でも彼等を見る度に揺らいでいる自分がいるのは承知済み。どっち付かずなのは素直に成れない私なりの《素直》の形だ。
そして相変わらず、のんびり会話は続けられる。
「ま。蕾なら上手く遣れるわ。」
「さんきゅ―――って何がよ?」
「あいつ等とだよ。」
「上手くって―――‥」
「きっとあいつ等は蕾にとって刺激になってくれる奴等だろ。」
「‥‥‥‥」
刺激、か。
翔の言葉になにかを探るように目を細める。
訝しげな面持ちをする私を見た翔は再び含み笑いをしながら言う。
「どっちにしろ、もう既に刺激を受けてるみたいだがな。」
良い意味でも悪い意味でも――――――――付け加えるように翔はそう言った。
―‥‥あー、もう。
ほんと性格悪い。悪すぎる。
声を出さずに頻りに薄笑いを浮かべている翔が憎たらしかった。全てを分かりきったように上から物を言う翔に腹が立った。
――――‥‥それを否定出来ない自分には、もっと腹が立った。
遠回しに私が彼等に興味心を煽られていることも彼等の目映さに手を伸ばしかかっている事を回りくどく言ってくる。煩わしい。
的を射られ少し苛々し始めた私は再びカルピスの蓋を乱暴に開けて口元にペットボトルを宛がう。
勢いよく喉を通るカルピスジュース。ペットボトルが空になったのが分かると容器を唇から放した。
「―――ぷは!」
うま。これが生チューなら最高なんだけどな。
なんて考えていると勢いよく飲み過ぎたからかカルピスが変な気管に入り、噎せ始めてしまった。
「―――っごほ、げほ!」
「ジジイかよ。カルピスで噎せんなって。大丈夫か?いっぺんに飲むからそうなるんだよ。」
「うっさい。」
誰のせいだ、誰の。
もしも。いまが昭和でここが和室でちゃぶ台があるなら私はひっくり返しているぞ。煎餅が吹っ飛んで湯呑みがバリーん!って割れてるんだからな。昭和さながらの怒り方で翔を威嚇してる。
そう睨む私もアッサリ交わして、「はは。」と笑う翔にキレそうになった。空気読めよ。あきらかに笑う場面じゃないでしょうが。
だけれど翔が笑ったのは私の事ではなく別のことに対してだった。