こうして僕らは、夢を見る
ジュ―――‥と何本目かの煙草を灰皿に押し付けて翔は含み笑いをしながら言う。灰皿には翔の吸い殻でいっぱいだ。




「もうそろそろ来たりして。」

「何が?」

「濱ちゃん。」




濱口君?何で?――――私は首を傾げた。だって濱口君はいまバイト中だよ?あの子は真面目だからアンタみたいにサボったりしないから休憩室には来ないって。


そういう私たちもバイト中だけど休憩中だからね。今日は暇だけど1人抜けると結構大変だと思う。―――さっき休憩室に居たバイトさんが私と交代で、濱口君と勤務中だと思うから心配はない。


なのにそろそろ濱口君が来ると予言者みたいな事を告げる翔がよく解らなかった。


理解不能な私に翔は、それはもう有難いくらい分かりやすく教えてくれた。






「イケメン君達にお呼びだしされた蕾ちゃんへ言伝てを届けに。」

「はは、」



洒落になんねえよ。



翔は司くんの怖さが分からないから笑って言えるんだ。きっと魔王のような微笑みを見ると笑えなくなるから。即座に笑顔は失われるよ。空笑いしか浮かべられないに違いない。




だいたい、なに?言伝てって。



『この前お前が勝手に帰った事を謝罪しやがれええ!』(殴る)

『――っぶへ!』(殴られる)



とか?


きっと殴る役目は楓君か翼辺り。もしも涙君だったらどうしよう。殴られるより痛い。エンジェルが暴力とか止めてくれ。司くんも嫌だ―――――いろんな意味で。


夜寝付けなくなりそう。それこそ悪夢だ。司くんなら夢にまで出て来そうで恐ろしくなる、が。


これはインチキ予言者・翔の言い分だと思い出す。





「あくまでも翔の予想だからね。当たらないよ。」

「ぜったい来るけどな。」

「お黙り。」





キッ―――!と翔を睨むものの翔は飄々と涼しげな顔をしている。


一体その根拠はどこから出てくるのか私は聞きたいよ。


でも本当に無断で帰った日のことに皆がキレていたらどうしよう。食べてすんなり帰ってくれたらいいな。それまで私は絶対に休憩室から出ないし。それで万事休す。


濱口君を使って私を呼び出すなんてこと無いよね?


うん。無い無い。


絶対無いよ。幾ら彼等が人使いが荒そうだとしてもワザワザ私を呼び出すことに濱口君を使うなんて―――――――――ガチャ




「…あ、あの。蕾さん」




キタ―――(゜∀゜)―――!!!!!!




MJDeeeee!?

(まじでぇぇぇぇぇ!?)


えええええええええええええええええええええええええええええええええええ£▲#◇&■$☆―――――――!?!?!?!
< 93 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop