世界をあげる
利一さんの表情が見えているのは俺と一年生たちだけ。
周りの大人たちは利一さんが本気で怒っていると思い込み、あたふたしている。
「り、利一さん、そんなに怒らんでも…」
「いや、ちゃんと子どもたちに教えんといけん。今回のことでどれだけの人に心配かけたか。」
「あの…利一さん、今回は春香が悪いんです。その子たちを怒らないでください。すみませんでした。」
春香ママは困ったように眉を下げた。
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