世界をあげる
家の前まで賢治くんのお父さんが迎えにきていた。
ワゴン車には一年生ズが乗っている。
「いいんですか?」
「かまんかまん。たまにはウォータースライダー滑りたいやん。」
「え、ああ、はい。」
「もう一人保護者に来てほしいんやけど。」
賢治パパはにこにこしながらこちらを見る。
「俺留守番してるんで利一さん行ってきてくださいよ。」
「いいよ。泉遊んできい。」
「でも利一さんもたまには…」
「…あの一年生ズとプール行ったら大変やろ…すぐはぐれるし…おっちゃんの体力じゃついていけんのよ…」
「あ…はい…いってきます。」
こうして俺も同伴することになった。