世界をあげる




澪さんが死ぬ数日前、夕ご飯を食べている時に利一さんは口を開いた。

「…澪、こんな田舎におるより都会に行った方がええんやないか?」

「は?」

「都会の方が出版社もいっぱいあるし、チャンスも増えると思う。」

「なにそれ。」

「小説で賞もらうためには、もっと大きい土地に行った方がいいと思うんよ。」

「…出て行けってこと?」

「そういうことやない。」

「利一さんも私が邪魔なの!?」

「誰もそんなこと言ってないやろ!」

「同じじゃない!」

澪さんは箸を置いて2階に上がった。

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