世界をあげる
「ほれ、スイカ。」
おばあちゃんの押し車の上に乗ったでかいスイカ。
「おっきい!どうしたんですか?」
「うちの畑のやつよ。いっぱいあるからこれあげる。」
「いいんですか?」
「食べきれんからね。」
「ありがとうございます。」
スイカを受け取り、キッチンに持っていく。
「泉くん、じゃあまたねえ。」
「え、もう帰るんですか?」
いつもならおじいちゃんの愚痴を言っていくのだが。
「山田さん家にもスイカ持って行くけんね。またね。」
「そうなんですか。ありがとうございました。」
スイカを見て喜ぶ花ちゃんが目に浮かぶ。