世界をあげる

「これ…」

美姫さんが手に取ったのは澪さんの本。

「その本の作者、前にここに住んでた人なんですよ。本を読むのに慣れてない人にも読みやすいし、おすすめです。」

「…読んでもいいですか?」

「どうぞ。」

美姫さんは静かに本を開き、読み始めた。

俺も他の本を読む。

静かな店には蝉の声と扇風機の音だけが響いている。

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