世界をあげる


「ただいまー。」

利一さんが帰ってきた。

「おかえりなさい。遅かったですね。」

「…ああ、たまたま道で勝村さんと出会って、そのまま勝村のじいちゃんのお見舞い行ってきたんよ。」

涼くんのおじいちゃんだ。

「そうなんですか。今涼くん来てましたよ。おじいちゃんのお見舞いに本持って行ってあげるって。」

「…そうか。」

どことなく元気のない利一さん。

「利一さんどうかしました?」

「え、ああ、ちょっと夏バテかもしれんな。」

笑いながら部屋に上がっていった。

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