世界をあげる
翌日。
「こんにちはー。」
「あ、いらっしゃい。」
本屋の掃除をしていると涼くんがやってきた。
「今日は?」
「今日もじいちゃんに本持って行こうと思って。暇すぎて1日で読んでしもたんやって。」
「そう。」
「あれ、涼いらっしゃい。」
利一さんが出てきた。
「利一さん、昨日はじいちゃんのお見舞いありがとうございました。じいちゃん喜んどりましたよ。」
「そうか。なんも持って行かんで申し訳なかったな。」
「じいちゃん退屈しとるんで、来てくれるだけで嬉しいんですよ。」
「…そや、泉、勝村さんのお見舞い行ってきいや。」
「え?」