世界をあげる

澪さんは少し寂しそうに笑った。

「…私の夢のためなんだって。あんなこと言ったのも全部私が小説家になるため。」

「…はい。」

「お金の心配もしなくていいから、夢を掴みに行けって。」

「…行くんですか。」

「…わからない。私はここが好きだから行きたくない。でも夢を叶えて利一さんに恩返ししたい。」

「…。」

「ちょっと考えてみるね。」

「わかりました。」

俺は澪さんの部屋を出た。

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