世界をあげる

「これ、持ってきました。」

利一さんに持たされた花を差し出す。

「気使わせてすまんなあ。ありがとう。」

「じゃあ俺花瓶にいれてくる。」

涼くんは花と花瓶を持って廊下に出て行った。

「私も!」

花ちゃんは涼くんを追いかける。

花ちゃんにとって病院は探検気分なんだろう。

「勝村さん、体の具合はどうですか?」

「体はまあまあいいんやけどな、暇すぎてなー。」

「一人部屋なんですね。」

「…そうなんよ。大部屋やったら話し相手おって良かったんやけどなー。」

笑いながら話す勝村さん。

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