世界をあげる
「俺はもうちょっとおるー。」
涼くんは俺らに手を振る。
「ご飯の時間には帰ってきなさいよー。」
「はーい。」
俺らは病室をあとにした。
「涼くんは毎日お見舞い行かれてるんですか?」
「そうやねー。夏休みで暇なんもあるやろけど、あの子おじいちゃんっ子やから病室いりびたるんよね。」
涼くんのお母さんは笑って話す。
「うん、りょうくんすごくおじいちゃん好きなのがわかったよー。」
花ちゃんは病院を出るまでキョロキョロしながら歩いた。