世界をあげる
夜。
俺と利一さんはスーツ、花ちゃんは制服を着て勝村家に向かった。
「ご愁傷様です。」
「足元の悪い中、来てくださってありがとうございます。」
夕方まで晴れていたのに、急に降り出した雨。
まるで俺達の心を表しているかのようだった。
「おじいちゃんにもう会えんの?」
花ちゃんはキョトンとしながら言う。
「勝村さんは天国行くんよ。やからお別れせんとな。」
利一さんは花ちゃんの頭に手を置いた。