世界をあげる


涼くんの家に帰ると、みんなが迎えてくれた。

「お前らびしょびしょやん。」

おじさんがタオルを持ってきてくれた。

「…涼…。」

涼くんは体を拭かず、そのまま勝村さんの遺体のもとに向かう。

「じいちゃん、ありがとう。俺じいちゃんに何もしてあげれんかったけど、大好きやけん。ずっと大好きやけん。」

涼くんは泣きながらそう伝えた。

< 207 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop