世界をあげる
「澪さん、こんなに書いてたんだ…。」
「ああ。…ちょっと休憩にするか。泉、ジュースとってくるけん休みい。」
「はい。」
俺はそこに置いてあった澪さんの原稿を手にとった。
短編小説のようだ。
題名は『夕焼けの音』
優しくて、あたたかい物語だった。
澪さんらしいな。
2つ目の原稿に手をかけようとしたその時、一通の封筒が落ちた。
「なにこれ。」
そこには、『利一さん、泉くんへ』
と書かれていた。