世界をあげる

「澪さん、こんなに書いてたんだ…。」

「ああ。…ちょっと休憩にするか。泉、ジュースとってくるけん休みい。」

「はい。」

俺はそこに置いてあった澪さんの原稿を手にとった。

短編小説のようだ。

題名は『夕焼けの音』

優しくて、あたたかい物語だった。

澪さんらしいな。

2つ目の原稿に手をかけようとしたその時、一通の封筒が落ちた。

「なにこれ。」

そこには、『利一さん、泉くんへ』

と書かれていた。

< 23 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop